nezi-maki soundsystem blog

nezi-maki soundsystem(ねじまきサウンドシステム)というバンドをやっています。そのニュースや所感。

地震と映画とショッピングモールについて

さきほど、母親と電話して、ふと思い立ったので忘れないうちに大急ぎでブログを書く。

大学の頃、ゼミの時間に「ショッピングモールで遊んで育つ子供」について、皆で話したことがある。「大資本が作った人工的な商業施設で育つのは、商店街のような有機的な人の営みが見られず、子育てに向かないのでは」というような話だ。

そのとき、僕は中学時代から近所(熊本市)のショッピングモールに慣れ親しんでいたので、「ショッピングモールだって商店街だってそんなに変わらないのでは」ということを言った。子供はどこで育とうと、育つと。

その時に、そのゼミの講師から言われたことは覚えていて、彼は「そこにある分にはそうだろうけれど、商店街は、商売がうまく行かなくても店舗が変わっても、残ろうとする。けれども、ショッピングモールは、収益性が全てで、会社の方針でまるごとどこかにいってしまうんだよ」と言った。

そのときは、実家の近所のショッピングモールを思い浮かべながら「あんなに賑わっているのだから、なくなるなんてことは、当分ないだろう」と思っていた。


f:id:nezi-makisoundsystem:20160821205427j:image

先程、母親と電話をしていたら「今、熊本市では、地震でショッピングモールがあらかた閉鎖していて、映画館は『Denkikan』くらいしか営業していない」という。

Denkikanは繁華街に立地しているミニシアターで、アート系の作品をかけていたので、学生の頃よく行った。けれども、僕はホームアローンもアポロ13も千と千尋の神隠しも、別の大きな映画館で観たのだ。

大きな映画館という言い方をするのは、中学くらいまでは、繁華街に商業映画をかける映画館があり、そこがつぶれる頃から、(そこをつぶしたといってもいい)ショッピングモール併設のシアターで、商業映画を、言ってみれば普通の映画を観ていたわけだ。

同時に、「子どもたちがモールで育つことの何が悪いんだ」と思う程度に、その環境に慣れ親しんでいた。同じような人々の消費行動によって、繁華街に映画館はDenkikanしか残らなかった。

ところが、今は、市内のどのモールも営業していないという。併設する映画館も、もちろんやっていない。それは、シン・ゴジラは観た?という会話から出てきた話題だった。

もう震災から4ヶ月経って、現にDenkikanは営業を再開している。そこでワンピースなんかもかけているようだから、おそらく状況に合わせて幅広く映画を選んでいるのだと思う。その分、届けられないニッチな作品もあるだろうと思う。

同じ4ヶ月間、モールを運営する会社(調べればわかるんだろうけど)は、とりあえず営業を中止して、恐らくは復旧した場合の費用とか、収益性とか、色んなことを考えているのだろうと思う。

短いブログにするはずだったのだが、長くなってしまった。

つまり、こういうことが起きるのだ。

繁華街の小さなシアターは復旧して(おそらくそれが、商店街の動き方なのだ)、一方で、復旧できる余力のありそうな企業が、考えあぐねているということが。10年ごしぐらいで、あのゼミ室で言われたことが分かったような気がする。


※補足 一応、車で30分くらいに立地する市外のモールは5月に営業を再開した。車がなくても、バスが通っているだろうから、子供だけでも映画を見に行けると思う。けれども、何故、市内各所にあるモールで、シアター部分だけでも、営業を再開してくれないかなと思う。